そういえばこのWynnに泊まったときにふと疑問に思ったのが、エレベーターのスイッチに40階から49階のボタンがなかったこと。ちょっと調べてみたところこのホテル「中国人ハイローラー」を意識して展開されているようです。
40階台の部屋がないのは皆さんご存知、中国をはじめ韓国なども数字の「4」は「死」を意味するからなんですね。特に中国人客はかなり気にするそうですよ。私は別に部屋番号が「4219号室」でなければそれほど気にしませんが・・・。
あとですね、このホテルの室内もそうなんですがやたらと「赤色」が目立つのです。泊まった部屋のソファーは真っ赤。1歩外に出ればロビーのカーペットも赤が基調。レストランのインテリアも真っ赤なところがありました。なんといってもカジノのポイントカードの名前はずばりそのもの「Red Card」です。これは中国文化では「赤は縁起のいい色」として考えているかららしいです。台湾からきたクラスメイトに「日本人はお年玉の袋が白で縁起が悪い!あれは葬式のときに使う袋なんだ!」といわれたことがあったっけ・・・。赤はですね何だか気分が落ち着きませんでした私の場合。
そんなWynn Las Vegasですが、このホテルイチオシのダイニングがこの「ALEX」。French Riviera料理ということなんですが、Rivieraってリビエラ?冬のリビエラ=森進一しかどうしても思いつかない低脳な私。何と英語ではコートダジュールのことをフレンチリビエラと言うんだそうです。日本人には「Cote d'Azur(コートダジュール)」といったほうが馴染みがありますね。ややこしい・・・といってもフランスへは行ったこともない、コートダジュールがどこにあるのかさえ分かってない私からすれば何の料理がでてくるのかさっぱり検討がつきませんでした。
ということでそんな訳ですからメニューを見ても何を選んでよいかさっぱり分からず、アラカルトで料理を選ぶ必要のない「Fall Tasting Menu」で無難にしてみました。さらに各料理1品ずつにワインがついてくるコースにしてもらいました。ソムリエがセレクトしたワインと各料理のマリアージュを楽しめるし、何よりも色々なワインを楽しむことができるのが魅力かと。というかあんな分厚いワインリストを渡されても・・・というのが実は本音だったりします(笑)
さていったいFrench Riviera料理とは------
「Appetizers Snack」
コースが始まるまでのつなぎでChefからのサービス。ちなみにここのChefはラスベガスでは最高級フレンチレストランと評されてきたRenoir(ホテルミラージュ内)のカリスマシェフAlex Stratta氏を引き抜いてきたのだそうです。Wynn氏がこのレストランの細部までこだわり抜き、このシェフに好きな様にキッチンを作らせたとも。
「Tuna Carpaccio with Ginger Cream, Soy Gelee and Osetra Caviar」
キャビアって日本のイクラをあっさりさせたような感じだねえといったら相方に「その表現はありがたみがなくなるだろ(怒)」というつっこみを頂きました。醤油味のジュレと生姜味のクリームムースが玉子豆腐みたいで美味。あれ?というかメニューにツナのカルパッチョと書いてあるけど、これのどこが・・・(;´Д`)
「Maine Lobster Quenelles with Tomato, Crayfish and Zucchini」
「Quenelle(クネル)」とは白身魚のすり身に卵白を加え、はんぺん状にしたもののことをいうそうでリヨンを代表する魚料理なんだそう。これはロブスターのふわふわはんぺん濃厚スープ。これにはフランス産白ワイン2003年ものがサーブされました。
「Saute of Foie Gras with Truffle, Pancetta and Crisp Potatoes」
お待ちかねフォアグラの登場。トリュフもパンチェッタも添えてあるけどイマイチ味が分からず・・・。やはり濃厚なフォアグラの味には勝てませんということでしょうか。これにはフランス産赤ワインの2001年ものがどんぴしゃりとハマっていました。
「Roasted Daurade with Caramelized Orange, Candies Fennel and Red Wine」
Dauradeとは「真鯛」でした。うーむ昨日のイタリアンでも鯛を食べたばかりだったのに。他の魚に代えてもらえないか聞けばよかったとちょっと後悔。魚料理には珍しく赤ワインを使ったソースが。なのでこれにはお決まりの白ワインではなくフランス産赤ワイン2000年ものが。
「Wagyu Strip Loin with Parmigiano Custard and Chanterelles」
和牛ブランドはここでもそのブランド力を発揮中。普通においしい牛肉です。小さなカップに入ったチーズのカスタードクリームが変った風味で◎。Chanterellesと呼ばれるアンズダケのソテーが食感がしゃくしゃくしていて美味しい。フランスには他にも美味しい茸がたくさんありそうですね。これにはイタリア産のあっさり赤ワイン2000年もの。
「Coconut Tapioca with Tropical Fruits」
細めの小さいグラスに入ったムース系デザート。ココナッツが苦手な相方は「うえー」。ムースにかかっているソースはかなり酸っぱいフルーツが使われておりました。でも何だかよくわからなかった味。てっきりこれが〆のデザートかと思いきや・・・
「Chocolate and Gianduja Caramel with Espresso Gelato and Hazelnut」
チョコレートたっぷりのかなり濃厚なデザートが登場。しかもこれにはかなり濃厚なデザートワインが用意されていました。スペイン産1971年の激甘デザートワインです!チョコの甘さとこのワインの甘さのダブルパンチ状態。子供用の風邪薬シロップを煮詰めたような・・・もったいないと思いつつ残してしまいました。さらにこの後追い討ちをかけるかのようにミニマドレーヌやら粒チョコレートなどツマミ系スイーツがサービスでどんどん出てきました・・・。
ALEX
Wynn Las Vegas
3131 Las Vegas Blvd. South
Las Vegas, Nevada 89109
ドレスコードがあるジャケット要のレストラン。周りを見渡せばきちんとネクタイまでした男性がほとんど。しかしそんな中ジーパンにかなりラフなジャンパーを召された1組のカップルがご来店。女性は店内でもニット帽をかぶったまま。
そして案内されたテーブルは店内のど真ん中。うーんあのちょっぴりおしゃれなカジュアルさ加減は日本人か?とコースの合間にボーっと考えていたら、彼らは料理が来る前だろうと何だろうと席をたってタバコを吸いに頻繁に外のテラスへ。
おいおい。
マナーっていうものを知らないのに、いくらホテル内のレストランとはいえ、何も考えずこういうレストランへノコノコと来てしまうその神経。同じアジア人としてちょっと恥ずかしい。