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A.O.C.
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先週は友人tobigumaさんが東海岸よりはるばるこちらLAへ遊びにきてくれました。というか東海岸からというよりは「不思議の国」からきたと言ったほうがしっくりきてしまうぐらいの「天然」さは相変わらずで思わず嬉しさをかみしめる私。彼女は本当にまわりの人を楽しませてくれます。

久しぶりの再会をお互い喜びつつ、tobigumaさんは開口一番「ねえ!そういえばビアードママにつれてってよ!」。

「び、ビアード・・・ま、ママ?・・・???」私はなんのことを言っているの分からずポカン~としていると、すかさず「ほら~あの~シュークリームの~!」。


ハッ・・・Σ(゚Д゚;

と、それは「ビアードパパ」のことでした・・・。

そんな彼女と一緒にいろいろ行きたかったお店がたくさんあったのですが、結局前回と変わらず日本食三昧であれよあれよいうまに3日間が過ぎていってしまいまして。実はその案内したかったお店のうちのひとつがこの「A.O.C.」。

店名(AOC=Appellation d'Origine Contrôlée)からも分かるようにWineが主役のお店。そしてこの主役をささえるのがCalifornian, Mediterranean, そしてFrench風のTapasメニューたち。

Tapasといえば個人的にはBerkeleyの「César」がNo.1。ということで加州南北対決、さっそく食べ比べしてみました。

A.O.C._a0027492_2015690.jpgまずWineにはかかせないCheese類はGoat, Sheep, Cow, Blueを取り揃えており、それぞれ3~5種類ほどメニューにありました。Goat系は苦手なのでそれ以外で盛り合わせ「Three cheese($15.00)」をおまかせで注文。

そしてウエイターが各チーズを説明してくれたのですが、チーズの知識がないのでなんのことやらサッパリ分からず。唯一聞き取れたのが「Manchego」というチーズの名前だけ。マンチェゴといえばスペインを代表するチーズ。しっとりと柔らかくて羊独特の風味があって個性がなかなか強いチーズなんですが、このチーズの美味しさを教えてくれたのがやっぱりあの「César」。それ以来我が家ではマンチェゴチーズのトリコになってました。

一方ワインはそのラインナップで世界一周してしまえるのではと思わせるほど種類がありすぎて困るほど。簡単に好みを伝えてテーブルについたウエイターにおまかせで選んでもらうことにしました。テイスティングスタイルでも注文を受け付けてくれるので、テーブルの上はグラスだらけという人たちもいて、とても楽しそうに飲み比べをしている光景があちこちありました。

A.O.C._a0027492_20154816.jpgこんなふうにテーブルに出されるBread類が美味しいとそれだけで次に出てくるであろう料理の期待値もぐんぐんと高まるものです。さらに欲を言えば、普通にバターがでてくるよりも、オリーブやハーブのペーストなんかが出てくると私の場合嬉しいですねえ。ここはオリーブのペーストの他にこの茶色のインド風味なペーストもあってこれが最高においしかったのです。


A.O.C._a0027492_20162691.jpgTapas Barにくるとドンドン注文せずにいられない私。日本の居酒屋魂が呼び覚まされるような感覚に陥ります。チーズときたらやっぱりサラミもねということで「Coppa, Sopressata and Cacciatorini($9.00)」の3種盛り合わせを。これはCoppaという豚の頭から腰にかけての肉の部分を使い熟成させたサラミ。みしっとした歯ごたえと肉の旨味が濃厚。

奥のほうにちらっと見える赤っぽいのが「Sopressata」。Sopressataはイタリア南部の典型的なサラミだそうでこれがまたかなり強い唐辛子の風味です。というかまじで辛いですこれ。でも辛いものって後をひくんですよねえ。ひーひー言いながらつまみました。

A.O.C._a0027492_20164216.jpgそしてこちらが「Cacciatorini」。
Cacciatoriniはにんにくや白ワイン、黒胡椒などのスパイスで味つけしたこれもイタリアのサラミ。「Hunter Style Salami」とも呼ばれていて、1本の大きさが4~8inchと小さいのは、ハンターが狩りの時にポケットに入れて持ち歩いて昼食に食べたりするからなんだそう。

サラミといえば、私の実家ではお中元やお歳暮などで贈られてくる贈答ハムの詰め合わせにサラミが混ざってたりした場合ぐらいしか食べる機会がなかったよなあ・・・としみじみ思いつつ。私の中ではいまだに「高級嗜好品」という印象があります。


A.O.C._a0027492_2016594.jpgそしてこれが飛び上がるほど美味しかった「Chicken Liver Crostini with Pancetta($8.00)」。
鶏レバーの臭みがまったくなく、まるでフォアグラ状態。う~旨い! カリカリのバゲットにたっぷりのレバーペースト、そしてこれもまたカリカリに炒めた生ハムの王様パンチェッタがトッピングされてます。このパンチェッタの食感と塩気がちょっとしたアクセントに。とにかく本当にワインとぴったりあう1品ですよこれは!

ちなみにレバーペーストは1度手作りに挑戦してみようと思いつついまだ実現できていない料理のひとつ。新鮮なレバーが手に入るとまっさきににんにく&ニラたっぷりのレバニラ炒めにしてご飯と一緒にわさわさ食べてしまうからなんですねえ・・・。そのほうが簡単だし。


A.O.C._a0027492_20172990.jpg「Smoked Black Cod, Pumpernickel, Cucumbers($14.00)」。
Pumpernickelという独特の風味があるパンの上に燻製した魚のタラがのっているというちょっと変わった一品。Pumpernickelはハマった時期がありましていろいろなお店で買って食べたりしましたが、あの独特の酸味が病みつきにさせるのでしょうか。酸味があるパンといえばSFではSourdough Breadが有名ですが、実はこちらは苦手。

A.O.C._a0027492_20174735.jpg「Spiced grilled Chicken, Chickpeas, Muhammara($13.00)」。
・・・むむむ。実はこの鶏肉、「わきが」の味がしました。アメリカでは何回かこの風味に出会ったことがあるのですが、血の匂いもしくはスパイスの風味なのかどうしてこのような味がするのか分からずいまだ困惑しています。

この鶏肉の上にかかっている「Muhammara」というチリソースペーストは中近東独特のもの。ウォルナッツを砕いたものをベースに唐辛子などをまぜ、ザクロのジュースでのばし、トルコではこのペーストをピタパンにつけて食べたりするほか、肉・魚料理にかけたりして食べたりするそう。


A.O.C._a0027492_20188100.jpg「From wood burning oven」と称した調理法で提供されるメニューがいくつかあるのですがその中から「Clams and Sherry with Garlic Toast($13.00)」を。シェリー酒の香りと貝の旨味がしっかり出ているスープが美味。

アメリカでは基本的に「量にこだわる」風潮があるため、ここのお店では、この値段でこの量?!と思う人が多いせいなのでしょうか初めてのお客には「Tapasというスタイルで1品1品の量が少ないからよろしくね」と注文する前に警告してくれます。しかし昨今のTapasブームのせいか連日予約でいっぱいだそうで、ピーク時のエントランス近くのカウンターには、たくさんの人がワイン片手に空席を待っていました。

A.O.C._a0027492_20183614.jpg美味しいワインですっかりいい気分になり店を出たのに、アメリカは「夜が暗い」から外に出た途端なんとなく寂しい気分に。飲んだあとにちょっとふらふらと、酔い覚ましもかねてネオンがまぶしい街中を歩いたりするのが好きな私は「やっぱり日本がいいよなあ~」とついつい思ってしまうのでした。

A.O.C.
8022 W 3rd Street
Los Angeles, CA 90048
by cabayarea | 2006-07-19 22:54 | Restaurant & Food


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