すっかり忘れてました。
今から1~2年前ほどでしょうか。日本でシンガポール名物の「海南風チキンライス」がマスコミなどに取り上げられたりして流行しましたよね。まだまだ人気は続いているのでしょうか? 今年の春に日本へ帰国した折に1度是非食べてみようと思っていたのですが、なぜか食べ損ねてました。
いやもう今さら感たっぷりなのですけどね。
先日たまたま偶然にも某写真共有サービスにて美味しそうな「Hainanese Chicken Rice」を発見してしまい「おおお~こ、これは!!!」と行って来ました「
Yazmin Malaysian Restaurant」へ。
シンガポールの名物なのになぜマレーシア料理のレストランへ?というツッコミは無視して、車を北東へ走らせました。そうですこちらLAではご周知の通り本場アジア各国の美味しいものを楽しみたいなら迷わずMonterey ParkやArcadia、そしてこのレストランがあるAlhambraなどが集まったSan Gabriel Valley地区へと向かいます。
実は初めてのマレーシア料理。とりあえずここは「マレーシア料理屋」なのでひとまず「シンガポールの」チキンライスをことは忘れて、どんなものがあるかな~とメニューを眺めます。ビールを注文するのも忘れて真っ先に頼んだのがこの「Roti Canai(2pcs/$4.25)」。
ロティ・・・どこかで聞いたことのあるような名前だなと気になり注文。そしてテーブルに登場したのを見てびっくり!思い出しました。実は
Berkeleyにあるトルコ料理レストランHoly Land Restaurantの"Flat and fluffy Yemenite Bread"、これがまさにこのロティそっくりだったのです! もちろん味もそっくり! まさかこんなところで再会できるなんて~(涙)と感動しながらいただきました。
約2,300万の人々が暮らすマレーシアという国は複合他民族国家。マレー系や中国系、インド系などの民族が暮らしていて当然食文化も混在しています。そしてこの"Roti Canai"のルーツはインド。
練った小麦粉の生地にマーガリンを練りこみ、伸ばしては折りたたみを繰り返して鉄板でこんがり焼き上げます。まさに「何層にも折りたたまれたふっくらしっとり柔らかいパイ生地」のような感じでしょうか。これをちぎってカレーソースでぱくり。単品ではなくナンを食べるみたいにカレーに浸して食べるようです。
ちなみに「Roti Canai(ロティチャナイ)」のロティとはマレー語で「パン」の意味。チャナイは「種なし」を意味するのだとか。
しかもこのロティチャナイ、マレーシアでは代表的な料理。国民的な食べ物なのだそうです。納得!だからあんなにも美味しいわけですね~。
ロティばかりに目を奪われてしまったせいで、忘れ去られそうになりかけたビールをあわてて注文。こちらはマレーシアのビールかと思ったらシンガポールのビール「Tiger Beer($4.50)」でした。この「
Tiger Beer」、数々の賞を受賞し地元シンガポールでは有名なビール。マレーシア、タイ、ベトナムでも広く愛飲されているそうです。ラガービールだけあってとっても飲みやすく、ロティに添えられたスパイシーなカレーソースとの相性は抜群でした。
やっぱりアジアのビールが1番美味しいなあと思う今日この頃。
さてさて。おまちかねの「Hainanese Steamed Chicken Rice($6.25)」です。蒸し茹でした鶏肉をぶつ切りにしレタスとトマトの上に盛って、その旨味たっぷりの茹で汁で炊き上げたジャスミンライスが添えてあります。
そして鶏肉の上にはトロリとしたちょっぴり甘めの醤油?オイスターソースみたいなものがかかっていて、フライドオニオンがパラリ。小皿にはこれと同じ黒いソースとかなり辛めなチリソースもきちんと添えてありました。
さっそく鶏肉を一口。おおお~シットリやわらかい~!
こんなにシンプルな料理なのに美味しいなんて。鶏独特の臭みがあるかと思ったら全然ありません。よく中華系レストランで食べる鶏系料理は骨のまわりが赤かったり血が滴ったりしてかなり苦手なのですが、ここはそんな心配がまったくありませんでした。しっかり火を通してあるようです。
鶏肉がとてもやわらかくあっさりしているので一気に平らげてしまいジャスミンライスが残ってしまいました。そこで先ほどのロティについてきたカレーソースをかけて食べたらこれがまた激しく美味い~。同じくココナッツミルクを使っているタイカレーとは違い甘くなくしつこくなくってほのかな旨味もあるこのマレーシアのカレーソース。とてもスパイシーでかなりあとをひきまくります。
もとは中国の海南島から来た人々が、故郷の料理をそこで手に入る食材でアレンジした素朴な料理チキンライス。マレー人の屋台では「Nasi Ayam」という名で売られているそうです。Nasi Ayam(ナシアヤム)は日本語に直訳するとチキンライスとまったく同じ意味jになるのですが、厳密にいうと調理方法や使う香辛料など、チキンライスのそれらと違うため異なるのだそう。う~ん奥が深い。
そしてこちらは「Hainanese Roasted Chicken Rice($6.95)」。こちらは「蒸し」タイプではなくロースト(というより揚げてある感じ)してちょっと油っぽく仕上がっています。表面の皮がカリカリしていてこれはこれでとても美味しい。味付けも蒸しタイプのとは違う感じです。
そういえば何かパンチが足りないなあ~と思っていたらなんと"パクチー"がのっていなかったことに後で気付きました(涙) それともマレーシアのチキンライスにはもともとないものでしょうか。好物だけにとにかく残念でした・・・。
最後に麺類で〆ようと「Mee Hoon Soup Noodle($5.95)」を。これまたPhoとは微妙に違う食感のMeeという麺にちょっぴり感動。スープは魚介系の出汁であっさり。マレーシア料理の中でもこれはチャイニーズに限りなく近い1品でしょうか。
しかし!
せっかくマレーシア料理屋に来ているのにこんなのを注文してしまった私はアホです。マレーシア名物の麺料理である「Laksa(ラクサ)」のことをすっかり忘れていました(涙)
マレーシアとシンガポール。
今まではまったく違う2つの国と思っていたけど、地理上だけでなく歴史上でもつながりがあっただけに食に関しても同じで境界線がよく分からないぐらい似ているところもあってホント興味深いなあ~と思いつつ、店をあとにしました。
YAZMIN Malaysian Restaurant
27 East Main Street
Alhambra, CA 91801