前回、Santa Barbaraはウニの産地で有名だと書きましたが、"Spot Shrimp"と呼ばれるエビの存在も忘れてはいけません。
そうです「ボタンエビ」のことです。
LAに引っ越してきてとにかく感動したのが、お寿司屋さんでビチビチ力強くはねる生きたボタンエビを目の前でさばいて、生のまま握りにしてくれたことでした。これがもう甘くてとろけて美味しいのなんのって。
これがまた、てっきり築地から空輸しているのかと思ったら、Santa Barbara産のボタンエビだというではありませんか。もちろん海老頭はから揚げと味噌汁にしてしっかり頂いたのは言うまでもありません。
ということで早速戦闘開始です。
実は今回ウニは小売りしておらず、ターゲットをボタンエビに変更。Pierの一番奥で、なんとも活きのよさそうな大きなボタンエビを扱っているおじさんをさっそく発見。
わお~すごいフレッシュだねえ♡と話しかけると、もちろんこれは"Sashimi(刺身)"グレードだよ!とにっこり。その笑顔につられてさっそく1lbほど購入しました。お腹にたっぷり卵をつけた子持ちボタンエビも入れてくれましたよ~。わくわく。
帰りにはちょっとワイナリーに寄ってワインを買い、自宅でボタンエビを活け造りにして、ワインと供に楽しもうと、袋片手にほくそ笑む私たち。
ちなみにアラスカ沖からサンディエゴ沖まで棲息するこのボタンエビ、日本では冷凍輸入され、ぼたんえび、もしくはアラスカボタンとして売られているそうです。
厳密にいうと本来"ぼたんえび"という和名のエビがいるのですが、これがかなり漁獲量が少なくて希少のため高価な寿司種として扱われるため、一般にはあまり出回らないようです。
というわけで漁獲量の多い"トヤマエビ"という名前のエビが、主にぼたんえびとして流通していて、市場では珍しいというほどではないものの値段が高価なため、これまた一般のスーパーや魚屋などではなかなか見かけられないのだそう。むむむ。
とにかくボタンエビの活きが良過ぎて袋の中で激しく跳ね回り、その鋭い触角のせいでボロボロになりつつある袋を持ちながら、Food系の出店を見てまわることにしました。
まずは、会場内でひときわ香ばしい匂いを漂わせているこのBBQブース。ここのブースではこのBBQの他に、漁船から買い付けたロブスターや蟹などをこのブースに持ってきて、ボイルしてもらえる仕組みになっています(要$3.00)。ぐらぐらと煮えたぎる熱湯の入った大きな寸胴鍋がいくつも並んでいました。
では、BBQのグリルでは何を焼いているのかというと、このかつおぶしのような形をした「Albacore」。特製のタレにじっくり漬け込んであるようです。
Albacoreとは"鬢長(びんちょう)マグロ"のことでよくお寿司屋さんで見かけるネタのひとつ。腹の部分は「びんとろ」と呼ばれてネタとして人気がありますよね。ツナ缶によく使われる種類なんですが、火を通しても身がしっとりしているので、味噌に漬けた後にさっとグリルして食べるとなかなか旨いです。
これがその「Albacore Barbecue($5.00)」。サクの半分ぐらいの大きさで、塊で出てくるのかと思ってたら、しっかり身はほぐされていて、しかもアツアツなのかと思いきやすっかり冷めていました(涙)
Smokeyな風味でアメリカ人が魚をBBQするとこうなるのか~といった驚きが。味は悪くはありませんでしたよ。
お次は「Snow Crab($5.00)」。そうですいわゆるズワイガニのことです。大きめのはさみの部分が2本とズワイガニの特徴ともいえる細~い足の部分が5~6本、茹でられたものが入っていました。
普段ダンジネスクラブばかり食べているせいなのか、とにかくあっさりしているように感じます。身の繊維は細かく上品な感じです。
Queen Crabとも呼ばれるようで。・・・じょ、女王カニ???
それにしても肉と違ってシーフードはお腹にたまりませんねえ・・・。胃下垂気味な私には辛いところです。
というわけで、「Fresh Oyster($9.50)」も。注文が入るとその場で殻をあけてくれるので、新鮮。旨味だってしっかり残ってます。もちろんその場で速攻つるんと食べると・・・うううう旨い。
SFではよく牡蠣を食べていたのに、こちらLAに来てからはなぜか新鮮で美味しい牡蠣に出会えなくってしばらく敬遠していただけに、久しぶりに食べた旨い牡蠣にちょっぴり感動。
結局ウニは食べられなかったねえ~と肩を落としていたら、いつのまにかウニの出店がOpenしていた!10時開場の時間に間に合わなかったようです。あわてて出店に駆け寄って、ウニを不思議そうに眺めるアメリカ人のおじさんを尻目に注文。
まずは「Uni Sushi Gunkan Style($7.00)」。ウニの軍艦巻きなのだけれど、海苔が見当たらず、白い紙のようなもので巻いてありました。ウニが太っ腹にもたくさんのっかっています。お味のほうはいうまでもなく、これまた新鮮で旨いです。
こちらは「Uni Shooter($7.00)」。
見た目はおしゃれなのですが・・・カクテルソースとウニは合いません。(きっぱり) しかもこのカクテルソースが辛くて辛くて。濃厚なウニの味でさえ、完全にこのソースにやられてました。
とまあ、こんな感じで2~3時間ほど、あれこれ食べながらだらだらとのんびり過ごした後は、お目当てのワインを買いに向かうべく、会場を後にしました。
そして自宅にて調理の巻。
ボタンエビの食べごろになった身は刺身の中でも随一の甘味を誇ると言われるだけあって最高。残りは網でさっと塩焼きにして食べたのですが、これがすごかったー。焼くと身が小さくなってしまうのだけど、ぎゅっと旨味が凝縮されていて、今まで食べていたエビは何だったの~と2人で叫んでしまうほど。ぎりぎり火の通った半生で食べる身はとろりとしてとにかく美味。
Santa Barbara Harborでは、毎週土曜日にFishermans Marketが開催されているらしく、魚をはじめ蟹やエビなど漁船から直接買い付けできるらしいです。
毎週通いたくなってしまいそう。うーん困った。
この男の子、漁師のお父さんと一緒に出店のお手伝い。一緒に漁にも出かけるようです。魚のことをいろいろ聞くと目をきらきらと輝かせて答えてくれました。
小さいながらも魚を扱う姿はりっぱなFishermanといった感じでとってもかわいいです。