いやはや食わず嫌いはいけません。人生は一度きりですから。
といいつつも、アメリカに来た当初は、もう「食わず嫌い」が炸裂しまくりまして、その中でも"スイーツ"系がもう本当にダメでした。特にスーパーの店頭などで並べられている自己主張の強すぎるケーキやクッキーの数々。甘いものが食べたいのに、買えない買いたくないという悲劇。
そして未だそんな私をある意味
惹きつけてやまないのが、アメリカの「カップケーキ」というもの。
コテコテのデコレーションもさることながら、その色使いときたらもうアナタ・・・。初めて見たときはあまりのインパクトにその場に立ちすくみ、唖然呆然と眺めていた自分を思い出します。
なのですが。
つい最近この「食わず嫌い」を克服することができまして。LAでこのお店を知らない人はいないのではと思えるほど有名なカップケーキのお店、「
Sprinkles Cupcakes」でございます。
ちなみに私は「なまこ」が食わず嫌いだったのですが、うちの相方がわっさわさと何匹も"美味しそうに"食べているのを見て、一度恐る恐る食べてみたら、殊の外おいしくて克服することができましたです。
ということで私のカップケーキ初体験はというと、友人宅の近くにあるSprinkles Cupcakesの店舗に出向き、テイクアウト。そして友人と一緒に恐る恐る食べてみたのですが・・・
「あ・れ・意外とイケる!」
「っていうか結構おいしいのでは?」という結論に至りまして。
これに味をしめた私は、さっそく「
Sprinkles Cupcakes Mix」を購入し、自宅でも作ってみることにしました。このカップケーキの素さえあれば、気軽にあの味が再現できる?!というわけですね。
味は「dark chocolate」、「red velvet」、「vanilla」、そして今回挑戦した「lemon」の4種類です。
この缶の中に入っているのはカップケーキミックス粉とSprinkles Cupcakesの特徴でもある「Modern Dot」というあのまあるい形をしたデコレーション。これで直径約7cmのカップケーキが12個分できます。
一方、自分で用意する材料は、卵(3個)、無塩バター(3本)、牛乳(160ml)、粉糖(375g)、レモン(1つ)、バニラ(バニラエクストラクト)、塩。
各材料を計量しているときに思ったのが、粉砂糖のあまりの多さ。400g近くも使うなんてとこの時点で少し不安を覚える私。
付属のレシピにそってまずはカップケーキの生地作り。室温に戻した無塩バターをミキサーで混ぜ、そこに泡立てた卵を加えていきます。しかしバターがいったいどんな状態になるまで混ぜればいいのか自信がない私。バターが白っぽくなるまでとかよくいうけど、私には色の変化がよくわからない・・・。
卵は、卵白2に対して卵黄1という分量で使用します。でも卵も本来どんな状態まで混ぜればいいのかこれまたよく分からず。もうこうなったら適当です。勘です。
そしてふるいにかけたカップケーキミックス粉を混ぜるだけ。これもよくさっくりヘラなどで混ぜましょうとかよく本に書いてありますが、なぜか付属のレシピにはミキサーで2分混ぜましょうと書いてあり、私はハンドミキサーでぐわーーっと一気に混ぜてしまいました。我ながら豪快すぎ。
あとはペーパーカップを敷いた型に流し入れて、350℉で20~30分焼き上げます。
これがその付属のレシピ。
これを読んでいると、どうやらミキサーを使いこなすのがポイントのような気もしてきます・・・。
それにしても私の場合、うまく言えないのですが、英語のレシピってその要所=ポイントがいまいちつかめません。自分の英語力を棚に上げて言うのもヒドイ話でございますが、要はもったりとかさっくりとか日本語でいうところの"繊細な"擬音語系の表現が欲しいところであります。
ということで、本棚から「奥の手」を引っ張りだしてきましたよ。
じゃーん。
食の雑誌「
ELLE a table(エル・ア・ターブル)」の2007年1月号に、「Sprinkles Cupcakesに習う、カップケーキ」と題して、レシピが掲載されているのです。ちょっとだけ参考にさせてもらいました。
ここで気になったのが、「フロスティングは甘めなので砂糖は好みで調節しても」という一文。悩みましたよ私。なんてったって粉糖375gですからね。しかし、お菓子作りに関してはドがつくほどの初心者にとって(尚且つ初めてのカップケーキ作り)、レシピの分量を変えて作ることほど不安になることはないのでして・・・。
不安な気持ちを抑えつつ、お次は「Frosting(フロスティング)」作成へ取り掛かります。
おなじみ無塩バターをホイップしたところに、大量の粉糖をどっさりと入れます。
「・・・おや?」
この瞬間私の今までの「不安」は「確信」に変わりました。これはもう、フロスティングというよりもバタークリームではないのでしょうか・・・。なめてみると、味はまさしくバタークリームそのものでございますよ。
そしてレモン1個分の皮とレモンの絞り汁を用意。しかしここで私は、その強烈なバタークリームに脳内をやられたせいなのか、レシピを速攻無視し、このクドさを和らげるべくさわやかさを求め、レモン「3個分」の皮を必死で削り、クリームの中へ投入してしまいました・・・。
それにしても"バタークリーム"ってなぜゆえにこうもネガティブな響きがするのでしょう。バター=脂肪のかたまりを連想させるからなのでしょうか。
幼少の頃はクリスマスケーキはいつもバタークリームだったのに、なぜかいつからか「生クリーム」にとってかわり、ちょっぴり切なくなった自分を思い出します。あの頃はそりゃあもうバター命で、どんだけバターを食べても(ご飯にもバターをのっけて食べてた)胃もたれなんぞしなかったのに・・・。
と、自分が作成したフロスティングに絶望しつつも、カップケーキがチーンと焼きあがりました。ふっくら焼きあがったカップケーキからは、ほんのりとちょっぴり人工的なレモンの香りが漂っております。
そうですまだ望みは捨てていません!きっとこの強烈な甘さであるフロスティングは、このカップケーキと合体することによって、素晴らしいハーモニーを奏でるはず。・・・たぶん。
ミニスパチュラでフロスティングをカップケーキにデコレーションしていきます。
しかしこれがなんとも難しいのでありまして、あのお店で売っているようなきれーいな感じにならないのです。私の場合、←これが関の山。ぐちゃぐちゃ。
簡単そうに見えてこういうのは意外とコツがいるものなのですね(涙)
さて。お待ちかねの試食タイムでございます。
゙;`;:゙;`(;゚;ж;゚; )ゴフォォォッ
例の「
Cannoli(カンノーリ)」以来の衝撃です。泣けてきました。いったい私はどこまで料理のセンスというものがないのでしょうか・・・かけらもないです(涙)
続く