KYOYAMATO
a0027492_1415226.jpg
偶然なのか京都では「肉らしい肉」を1度も口にする機会がありませんでした。肉を食べなくても満足感たっぷりなんですどこのお店も。とにかく魚と野菜が美味しくてもうそれだけで充分なのです。

京都最高。日本最高。

昔なら「会席料理」と聞いただけで私の財布+胃袋が拒否反応を示していたのですが、さすがに私ももう歳なのでしょう、とにかく和食がうれしいです。ありがたいです。涙がでます。


すっぽんに続いて、和食の本場、京都で会席料理を楽しんできました。創業明治10年、京都は東山の老舗料亭「京大和」です。豊臣秀吉の妻であった北政所(ねね)が建てたことで有名な高台寺のすぐそばにある料亭です。




a0027492_14313663.jpg元々西本願寺の別邸として使用されていたこちらの料亭は東山の高台に位置しており、京都の街並みが一望できるのはもちろん、八坂五重の塔を真正面に眺められることで有名なお店。立派なお庭は映画「SAYURI」のロケ地にもなったそうです。

ちなみに八坂五重の塔といえば私の場合、ポスターでよく見かける京都の風景といった印象が強いであります。


a0027492_14315668.jpg3000坪の敷地内には本館や茶室などいくつもの立派な建物が立ち並んでいて、その中には豊臣秀吉が注文して作らせた間もあるんだそうです。す、すごい・・・。

今回予約したコースが「懐石紅葉(31,500円)」ということだからなのでしょうか、私たちが通された広間の名は「紅葉の間」。その名のとおり秋になるとこの庭園にある紅葉が真っ赤になりとても綺麗なんですよと今回お世話になった仲居さんがおっしゃってました。

ちなみにこの料亭で最高級の広間はというと、坂本龍馬ら幕末の志士たちの会合の場所となった「翠紅館の間」。この広間からは八坂五重の塔を眺めながら食事を楽しめるし、調度品である扁額は三条実美の直筆。しかも新撰組の刀傷が残っています。

れ、歴史の重みがすごすぎます・・・。




a0027492_14321269.jpg◇前菜はお酒とご一緒に。

正式な会席料理は「先附(前菜)」から始まりますので、お酒のつまみということでお酒とともにいただくようにします。

こちらでは日本酒を注文するとお店の名前が入ったオリジナルのものが出てきました。これがまたすっきりとした味わいでどんな料理にもぴったり。蔵ごと買い占めたくなる味でした。




a0027492_14322413.jpg◇先附「生雲丹とこごみの薹の胡麻豆腐 - 白髪独活三つ葉」

先附は、お店としてはお客さんの心を掴むための第一印象となる大切な一品ですね。しかしいきなり胡麻豆腐が出てきて豆腐嫌いの私は面食らいましたが、なかなか美味しかったです。

豆腐といっても"胡麻"豆腐ですから、豆は使わないし、豆臭さはまったくしないので全然OKなんですけどね(^^ゞ

ちなみに京都に修学旅行で来たとき、夕飯に湯豆腐が出て泣きそうになりました・・・。あの夜はかなりひもじい思いをしたもんだ・・・。


a0027492_14324297.jpg◇冷菜「春野菜の黄身酢掛け - うるい、芽キャベツ、グレープフルーツ、ちぎり木の芽」

こういう組み合わせもおもしろいんですが、一見シンプルながらも手の込んだ野菜料理が、京都では特に美味しいように感じました。




a0027492_14402985.jpg◇椀盛「清汁仕立 - 花弁豆腐、鮎魚女葛打ち、花弁独活 木の芽」

漆塗りの立派なお椀が出てくると無条件にわくわくしますね。さっとお椀の形や蒔絵などを鑑賞したあと、さっそく蓋を取って、一口お汁を啜ってみます。ふわっと立ち昇る木の芽の香りと出汁のハーモニーがなんともいえません。美味しいー。

桜の花びらの形をした玉子豆腐が入っていたのですが、とてもかわいらしかったのが印象に残っています。もちろん"玉子"豆腐なのでOK!

椀盛では、「椀種」といわれる白身魚や「椀妻」とよばれる旬の野菜、あしらいの「青味」、香りを添える「吸い口」、そして味加減としての「吸い地」という五つの味わいを楽しむがツウらしいです。



a0027492_14405439.jpg◇造り「明石鯛重ね盛り、車海老、赤貝、ねじ剣、大葉、寄せ花弁、山葵、紅白より、山葵の花、割醤油、ちり酢」

関東では「刺身」というのですが、関西では「造り」というんですね。

実は「ちり酢」というのが初耳で、九州出身の相方も知らなかったとのこと。ちり酢は、特に鯛の繊細な白身魚の味にぴったりでした。
a0027492_1441711.jpg
そもそもちり酢の"ちり"っていうのもなんなのかよく分からず、ミツカンのポン酢ぐらいしか知らなかった私にとって、ぽん酢をはじめとする関西の調味料一般の種類の多さや味のこだわりはただただすごいなといつも関心してしまいます。
特にソースなんか本当に種類が多すぎてスーパーで延々と悩むはめになりホント困る!



a0027492_1794647.jpg◇合肴「豌豆の摺り流しとじゃが芋の峰岡寄せ - 美味出汁ゼリー、玉あられ」

冷たいえんどう豆のすり流しです。ひんやり冷たくて口当たりなめらか、出汁の味がおいしい冷製ポタージュスープですね。受け皿に霧吹きのお水がかかっているのですが、こういったさわやかさ、"涼"を表現する演出が素晴らしいです。
a0027492_178358.jpg抹茶色のグリーンと白のコントラストもさわやか。

それにしても抹茶の色って癒されますね。抹茶色の食べ物を見るともういてもたってもいられなくてどうしても食べたくなります。

京都駅では「京都限定・抹茶味」のフレーズがあちこちにあって、かなり興奮状態になってしまった私です。



a0027492_1714139.jpg◇焼八寸「細魚筏寿司桜葉包み、鯛の子木の芽ゼリー、穴子八幡巻き、若鮎蓼味噌焼き、菜の花芥子白合え、サーモン、一寸豆、厚焼玉子串刺し、揚花弁、桜の枝」

お皿が小船の形になっており、蓋が木の屋根に見立ててあるのですが、その木の蓋に立派な桜の枝が飾られていました。

a0027492_17144231.jpgその桜の蓋を開けるとこのようにおいしそうな料理が目に飛び込んできます。

桜が満開のこの季節にぴったりの華やかな演出が本当に見事で、とても感動してしまいました。日本料理は、器や盛り付けなども美しくて目でも楽しめるのがいいところなんだなと本当にそう思った瞬間でした。

a0027492_17145666.jpg
「鯛の子木の芽ゼリー」
・・・たらこ?
a0027492_17152323.jpg
「細魚筏寿司桜葉包み、サーモン、揚花弁」
やはり会席料理にはサーモンってかかせないものなのでしょうか?

a0027492_17153519.jpg
「穴子八幡巻き」
牛肉のごぼう巻きも好きです。

a0027492_17164134.jpg
「若鮎蓼味噌焼き」
・・・実は川魚食わず嫌いです。



a0027492_1717996.jpg◇焚合「筍土佐煮、巻き湯葉、蕗、木の芽」

中身を撮るのを忘れてしまいました。とても上品な味付けであっというまにたいらげてしまったからです。

会席料理で出てくる煮物ってなかなか家庭では出せないなあといつも思うのであります。なぜなら私の場合醤油で真っ黒にしないとどうしても気がすまない、というか美味しくみえない感じがするから。自分でもなんでかわかりません(笑)。

そんな我が家には"薄口醤油"というものが置いてあるはずもなく・・・。


a0027492_17173077.jpg◇御飯「御飯、赤出汁、香の物」

小さい頃から白いご飯が嫌いで嫌いで、家族から非国民呼ばわりされていた私なんですが、ご飯とみそ汁、あとはちょっとの漬物さえあればいい!と言う、うちの母親の気持ちもなんだか最近分かるような気がしてきました。

味覚は歳とともに変わるものなのでしょうか。
a0027492_17175538.jpg
食後の〆のお漬物がとてもほっとするのはどうしてかというと、発酵食品である漬物は良好な菌がたくさん存在していてそれらが消化を助けてくれるのだからだそう。
a0027492_17181232.jpg
こんなつやつやの白米もいいですが、こちらのお店は記念日なんかだとお赤飯をご用意してくれたりするそうですよ。




a0027492_17183590.jpg◇果物「わらび餅、メロン」

日本のメロンを食べるとアメリカのメロンは詐欺だ!と思わずにはいられません。
a0027492_1719223.jpg最近、和菓子もよく食べるようになったなあと思います。

またまた昔話で恐縮ですが、祖母のチョイスするお菓子といえばなぜか羊羹ばかりで、夏休みに遊びに行くと、水羊羹ばかり出てきてうんざりしてました。

今は羊羹はもちろん、最中も大福も金つばも大好きです。



a0027492_17192049.jpg自分の国の料理なのにマナーも含めて知らないことだらけの「会席料理」。そんな無知な自分が恥ずかしくてずっと避けてきたようにも思います。

ただ、なんであんなに高いんだろうなぁとは思うのですが、そこはやはりプロだからこそなわけで、厳選された素材もさることながら、家庭ではなかなか難しい下ごしらえや味付けの細やかさなどの技を知ったらきっと値段にも納得してしまうだろうとも思います。

プロの料理人というのは本当にすごいなといつもそう思います。一方でプロの料理は、毎日食べたら絶対飽きるだろうなあとも思うんで、そこはやっぱり家庭の味が勝ち!ですネ。


京大和
京都市東山区高台寺桝屋町359
075-525-1555
[PR]
by cabayarea | 2008-05-31 19:18 | Kyoto 2008


<< Pastry boutique... Daiichi >>